納税意識を持とう
※本稿は2015年3月3日にLAOアライアンスのサイトへ寄稿したものです。
納税は義務なんです
前回と前々回で法人税の計算方法や消費税の仕組み、そして税金の滞納も多いということを紹介してきました。この2回で会社経営と税金とは切っても切れない密接な関係があるのはよくご理解いただけたと思います。納税は義務ですから利益がでればそれに見合う税金を納めなければなりません。税金が無駄に使われているから払いたくないという意見も聞きますが、それとこれとは別問題です。
とはいえ、会社経営において税負担が資金繰りに影響を与えるのも事実です。税負担をなるべく減少させたいと思うのもわかります。
一般に税負担を減少させる方法は(いい悪いは別にして)3つあります。
次に紹介しますので、この3つの違いをよく考えてみてください。
節税と租税回避と脱税
それぞれ簡単に説明します。
(節税)
税法に定められた規定を適法に適用することで税負担を軽減させる。
(租税回避)
税法に定められた規定の適用要件を形式的には充足しているものの、その取引等について合理的な理由がみあたらず、一般的には行われない取引を行うことで、税負担を軽減させる。⇒税務調査で合理的な取引と認められないと課税されることとなる。
(脱税)
税法に定められた規定の適用要件を充足しているかのように仮装し、または隠ぺいすることで税負担を軽減させる。⇒刑事罰あり。
税金は無理に減らすものではない
皆さんは、脱税をしたいと思いますか?
従業員を抱え、家族を抱え、それでも脱税しますか?
無理な取引をしてまで租税回避しますか?
納税額を減らすために決算直前で経費を多く使ったりする人もいますが、たいして必要のない支出をすると今度は資金繰りを悪化させるだけで会社経営にとっていいことはありません。納税額を10万円減らすために40万円使うというのではなく、10万円分きっちり納税をしたうえで30万円をもっと有意義に使ってこそ経営者です。
優れた経営者と言われる方たちは、納税意識の高い方が多いです。
是非納税意識を高く持っていただきたいと思います。
2015年8月11日